〜夜明けの刻〜
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鏡の国-4-
それは、異様な光景だった

一つのお墓を取り囲む無数の人々

みなが一様に黒い服を着ていることは常識的だが

墓の土は取り除かれ、棺おけがむき出しになっている

そして人々の顔に表れているものは紛れもない喜び

みな笑顔で棺おけを見守っている

狐の姿をした牧師のような男は片手に鶏を持ち静かに目を伏せている

その片手にもたれた鶏はお腹のところが時計の形をしていた

刻々と時間を刻む金色の針は、あと数分で赤い針と重なるようだ

すると、牧師が静かに目を開けた

「いよいよ時間です。みな、安らかに生まれてくるように祈りをささげましょう・・・。」

すると、うるさく鳴り響いていたハッピーバースディの曲がやみ

みな、胸の前で両手を握り祈る形をとる

イグナも周囲から浮かないように真似て祈りの形をとった

「おい、イグナ・・・。やっぱりこれって。」

クーガが小声で話しかける、イグナは片目を薄くあけると軽く微笑んだ

「分かってる。でも、全てを観てからでもいいでしょ?」

すると、時計の鶏がうるさく喚きだした

「時間ダヨ!!時間ダヨ!!生マレル!生マレルヨ!!」

その声に、みな祈りをやめて棺おけを見守る

すると、一度ゴトリと音を立てて棺おけが揺れる

そして、次の瞬間には蓋が落ち中から老婆が出て来た

一人の女が、泣きながら老婆の元へと駆け寄り抱きつく

「・・・会いたかった。」

「私もだよ、この棺おけの中でお前に会えるのを何度夢見たことか・・・。」

そう言い、しばらく二人で抱き合い泣いていた

みなが、そんな二人を温かく見守っている中

イグナが割って入るように女に質問する

「すみません。ボクは旅の者でついさっきこの町に着いたのですが・・・。

こちらの方は・・・?」

そう言って老婆の方を見る

少々、周りの視線が痛いが 事実を確認するためにはしょうがない

推測を確実なものにするために・・・

女は少し驚いたように涙を拭き、優しく微笑みながら質問に答えた

「まぁ、旅の方だったの!わざわざいらしてくれてありがとう。
彼女は私の母。」

「母?」

「えぇ、私を殺す人よ?」
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